英語で用いられるラテン文字

今現在最も解読者人口が多い文字である、ラテン文字(ローマ字)についてふと調べたくなったので調べてみました。

大学では主に文字列処理に関連した内容の研究をしているので、自然言語で用いられる文字体系について考えさせられることがしばしばあり、平仮名・片仮名・漢字・ローマ字・アラビア数字が混用される日本語の文字の種類数の多さに驚かされます。

ラテン文字は、アルファベットの一つ。
アルファベットという名前は、ギリシア文字の"α"と"β"からきているそうですが、これはギリシア人がそう呼んでいたわけではないそうです。(ちなみにギリシア人はギリシア文字のことを「フェニキア文字」と呼んでいた。)
アルファベットの定義は、ギリシア文字やラテン文字キリル文字といった「表音文字の一種で、伝統的な一定の配列順序を持った文字体系」です。
ここで注意が必要なのは、「ラテン文字 = アルファベット」ではなく、「ラテン文字 ⊂ アルファベット」ということです。

ラテン文字は大きく分けて「基本字」「追加字」の二種類がありますが、このエントリは「基本字」についてのみ触れようかと思います。
英語では、ラテン語の全ての基本字のみを使用します。

基本字

ラテン文字の基本字は次の26種です。
[]内には英語での読み方を記しています。

1 2 3 4 5 6 7 8 9
A B C D E F G H I J
a b c d e f g h i j
[eɪ] [biː] [siː] [diː] [iː] [ɛf] [dʒiː] [eɪtʃ] [aɪ] [dʒeɪ]


11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
K L M N O P Q R S T
k l m n o p q r s t
[keɪ] [ɛl] [ɛm] [ɛn] [oʊ] [piː] [kjuː] [ɑː],[ɑɹ] [ɛs] [tiː]


21 22 23 24 25 26
U V W X Y Z
u v w x y z
[juː] [viː] [ˈdʌbljuː] [ɛks] [waɪ] [zɛd](英), [ziː](米)

これだけの限られた文字種であらゆる物事を表現可能な英語は、その文字の種類数により多種多様な表現が可能となる日本語と対照的な存在です。

「Z / z」の読み方

日本で「Z / z」は「ゼット」と読まれます。「マジンガーZ」の「Z」も「ゼット」と読みます。
ですが表の通り、「Z / z」はイギリス式英語では「ゼッド」と、アメリカ式英語では「ジィー」発音されます。
本来の英語では「ゼッド」と読まれていたものが、アメリカのなまりにより「ジィー」になったのです。
英語を話しているときに「ゼット」と発音するのは間違いのようですね。
ちなみに、世界で地名が最も短い都市とされている津市は、「Z」という地名としてギネスブックに登録されているようです。


今回は発音記号を少し用いましたが、また発音記号についても調べてみようかと思います。